たった一度のお見合いパーティー
周囲が結婚して家庭に入っていく中、取り立てて焦ることもなく婚活らしきものもろくにせず、年齢だけを重ねていた私。
見合いにも全く興味がない上に、女性の婚活上の武器になるはずの「料理」をはじめとする家事全般も決して得意とは言えないことも自覚していたので、ますます結婚には消極的でした。
その分、仕事は一生懸命。でも職場には、いろいろな女性がいます。そのうちの一人。労務管理を一手に引き受けるスキルの高い、そしていつも明朗快活な女性。彼女は「早く結婚退職したい!」が口癖。
ハワイで結婚式を挙げるのが夢だといい、料理の腕も磨きつつ「白馬に乗った王子様」探しも妥協を許しません。
その彼女が、月に1度か2度ほどお見合いパーティに参加していることは知っていました。他の同僚と一緒に参加することもあるのだとか。興味ないな…と思っていたのですが、会社の女性の同僚全員があるパーティに参加する話が一方的に進んでいたのです。
ここで無理に断ると角が立つと思ったのと、「お見合いパーティってどんなの?」という好奇心もあり私も参加することに。クリスマス目前の寒い冬の夜。イルミネーションを眺めながら会場へ。
仲良しの同僚に囲まれているので、下手に緊張することもなく和やかに、自己紹介タイム。氏名と「クリスマスプレゼントに欲しいもの」を順番に言っていくというもの。そして、その自己紹介を聞いた男性が、気に入った女性に自分の名前が書いてあるカードを渡していく…そんな感じでした。
「夜景の見えるレストランでお食事がしたいです」「可愛いペンダントが欲しいです」…次から次へと女の子らしい自己紹介が続いていきます。わが身を忘れて聞いていると、自分の番!
…え、急に言われても欲しいものなんてないよ。しかも彼氏になるかならないかもわからない男性からなんて、うっかり物をもらえないし。
そうは思ったものの何か言わなくてはと頭の中でグルグル考えて…そうそう
「カードケースが壊れたので丈夫なカードケースが欲しいです」一瞬、場が静まりました。司会の人も困ってました。同僚は、「もう、あんたとは他人」みたいな仕草をふざけてしてました。
これが私の、最初で最後のお見合いパーティ。最初で最後の婚活です。もちろん、このパーティでは理想のパートナーに巡りあうどころか、どの殿方からもお声はかかりませんでしたが、それでも。
今は、パートナーと二人。幸せに生活しているので無駄な婚活にエネルギーを費やさずに済んだ自分の幸運を嬉しく感じています。